
安倍内閣のスタート
安倍晋三内閣がスタートしました。「論功行賞内閣」とか「仲良しクラブ内閣」などと揶揄されている面がありますが、どのような国作りをしようとしているのか、少しづつ明らかになってきています。
所信表明演説では・・・
安倍総理の所信表明演説では「美しい国日本の実現のため、連立政権の安定した基盤に立って、『美しい国創り内閣』を組織しました。」と述べています。
小泉元首相にならってキャッチフレーズを多用しようというのも特徴のようですが、「筋肉質の政府」・「人生二毛作」なんて、あまり気の利いたフレーズではないですね。「美しい国」だとかキャッチフレーズで面白みを出そうとするのではなく、具体論こそが重要なはずです。
「美しい国」というのは、活力にあふれ、自律の精神を大事にし、世界から尊敬される国を目指すそうですが、こんな説明ではイメージはわかないのではないでしょうか。
格差是正に対する具体策は・・・
抽象的な言い回しではなく、政治家はやはり具体論を展開しなければほとんど意味はありませんが、どのようにして活力ある国に変えていくのか、残念ながら具体的な政策は出てきません。小泉政権の元で広がった社会の中の様々な格差をどのようにして是正していくのか、私は、この一点が一番肝心な観点だと思いますが、安倍政権ではわからないままです。
確かに「再チャレンジ支援」では女性や高齢者・フリーターなどを積極的に雇用するよう民間を支援するとしているようです。そのこと自体は分かりますが、肝心の格差をどのようにするかには触れていません。
税制改正に手を付けてこそ・・・
私は、格差是正という観点からすれば、税制に触れることが一番だと思います。端的に言えば、お金持ちからはより税金を徴収する方策を講じるというものです。
例えば所得税にしても日本はかっては累進課税を積極的に行っていましたが、高所得者から「所得のうち8割も税金で持って行かれてはたまらん!」などと言われ累進性を抑えてしまい、現在では先進諸国のなかでは、累進性の低い国になっています。
所得格差が進んでいる現状を踏まえれば、お金持ちからは高い割合での課税を進めるべきでしょうし、税制の抜本的な改革こそ必須です。しかし、来年7月の参議院選挙を控えていることを考えて、税制にはあまり踏み込まないというのが安倍政権の姿勢のようです。
アジア外交では・・・
アジア外交では、中韓両国を「大事な隣国」と位置づけ、「未来志向で率直に話し合えるようお互いに努めていくことが重要だ」と強調してアメリカ一辺倒ではないことを示唆している点は評価できます。
私は日本がアジアのリーダーになるためにも、アメリカとの友好も大事ですが、中韓両国との外交が日本外交の中核を占める位の重要性を示すべきだと思います。
ただし、安倍首相は、肝心の靖国問題や歴史認識問題を避けているようです。しかし中韓両国との真剣な外交を展開するためには「靖国」・「歴史」から逃げられないはずです。隣国の信頼も得られずに、世界から尊敬される「美しい国」などになれるはずはありません。
安倍政権が「美しい国」と抽象的に言うのであれば、私は、美しい国とは具体的にどうあるべきかを具体的な例を挙げて論じていきたいと思います。
前衆議院議員・弁護士 松野信夫
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