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5000万件にも上る年金が誰のものか分からなくなっている事件は、ますます拡大する一途になってきた。私も連日の街頭演説ではほとんどこの問題について言及している。
この5000万件事件は、まさに民主党がしっかり調査して追及してきた成果であり、ヒットといえる。参院選にとっては明らかに追い風になっている。
しかも政府自民党の対応はまずさが拡大していて、国民の年金に対する不信、不満、不安は増大するばかりだ。政府自民党も参院選を意識して対応策に大わらわの様子だが、口先だけではかえって墓穴を掘ることになろう。
与党が先週、連続して強行採決した社保庁改革法案と年金時効撤廃特例法案については、国民にはほとんど理解も浸透していないのではないかと思われる。
特例法案では、対象者が不明の5000万件の公的年金保険料の納付記録について、対象者が判明し差額分の年金を受け取る場合、5年の時効を撤廃してこれを超えても請求できるようにしているが、この意味はあまりないのではないか・・・? この恩恵にあずかれる人が一体どの程度あるのか、疑問が多い。
与党としては消えた年金問題解決のために慌てて火消しを行っている感が強いが、衆院でたった1日でわずか4時間で審議を打ち切ったために、法案の細かい内容はほとんど詰められないまま強行採決されてしまった。
さすがに、これではまずいと思ったのか、柳沢伯夫厚生労働相はあわてて政府の追加対策を示し、5000万件について、すでに基礎年金番号が付いている年金受給者・年金加入者の記録とのコンピューターを使った照合作業を1年以内に終えることなどを明言した。この発言は安倍総理の発言と符丁しているが、とうてい1年で終えるのは無理であろうというのが大方の見方だ。
照合作業は、氏名、生年月日、性別を参考に同一の可能性のあるものを選び出すが、結局、人の目で判断する作業になり最後は手作業になるからだ。しかも、入力漏れで記録が全く存在しない場合は照合の対象にならないし、この場合には、市町村が保有する被保険者名簿と社会保険庁のオンラインシステムやマイクロフィルムとの照合が必要であり、ますます時間がかかる。
納付記録がない場合などに個別判断には「第三者委員会」を設置してやってもらうというが、これまた疑問が多い。
要するに、1年以内での照合など夢のまた夢の話であるし、国民もこんなことではだまされないであろう。この問題は与野党共に参院選を意識してある意味ではお互いに足の引っ張り合いの様相もないわけではないが、参院選を挟んでじっくりと議論する必要がある。
多くの国民も、多少時間がかかっても正確に照合し、調査し、正しい年金額の根拠と権利の拡幅の待ち望んでいることは間違いないと思う。
最終的に問題になるのは、社保庁において徹底した調査をしても不明の場合であるが、不利益な判断を悪くない国民の側に押しつけるのは許されないであろう。
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