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今回の原発事故によってエネルギー政策の転換は避けられない状勢だ。常識的に考えても、これから原発の新増設は簡単には進められないであろう。全国の原発54基のうち半数は止まったままで、今のところ再開の目途すら立っていない。原発から再生エネルギーへの転換を大胆に進めるときがついにやってきたと思う。
現在、政府による「エネルギー基本計画」には、2030年までに原発14基の新増設を目指す方針が盛り込まれている。菅総理はその見直しを明言しているし、原発の新増設などまず無理だ。現実問題としても、今回の震災で原発の新増設を受け入れる自治体が出てくるとも考えにくい。
国の原子力委員会も、原発を温暖化対策とエネルギー安定供給に欠かせぬ基幹電源と位置づけたエネルギー政策の転換を迫られ、原子力政策大綱の改定作業の中断がされている。
しかし稼働しているすべての原発をすぐに止めてしまうこともできないのもまた現実である。日本の電力の約30%は原子力で作られている。日本経済や国民生活への影響を考えれば、いきなり全面停止することは現実的ではない。
一定の原発は安全管理を徹底することで動かしていくほかないが、徐々に原発は廃止へと向かわなければならない。特に危険なのは中部電力の浜岡原発であり、東海地震のおそれも考えれば、早めに廃炉の方向を示すべきだと思う。
原子力発電に替えるものとしては、風力や太陽光発電など自然エネルギーの拡大を柱に措くしかない。こうした再生エネルギーを徹底して創り出す仕組みを構築し、効率のいい分散型のエネルギー供給体制をつくる必要がある。
先日、ソフトバンクの孫正義社長が民主党の対策会議に出席され、基金を10億円提供して東日本の自然再生エネルギー発電を積極的に実施するプランをお話しされたが、実に時宜を得ている。大いに応援したい。
さらに課題としては東日本と西日本とでの電力のやりとり問題もある。電力供給の土台は東日本だけでなく、全国規模で危うさを増しているから、西日本から東日本への電力供給を可能にするような変電所の体制整備も大きな課題である。
今回は東北地方の地震ではあったが、静岡沖の東海地震、名古屋沖の東南海地震、和歌山沖の南海地震などいつ発生してもおかしくないと地震学者らは言っている。お互いに電力のやり取りができるようにも国家戦略として取り組む必要がある。
いずれにせよ色んな意味でエネルギー政策の転換を図っていかなければ、被害を受けて苦しんでいる皆さんにも申し訳が立たない。
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