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はじめに・・暫定税率と道路特定財源制度の廃止とは別の問題
通常国会の最大の論点となっているのが、ガソリン税等の暫定税率問題・道路特定財源問題である。この問題は、国民から見れば暫定税率の廃止でガソリン値下げになるかどうか、という点が注目され、また連日のように県知事をはじめとして県内の市町村長や地方議員さんたちからは、地方にはまだまだ道路が必要なのに道路ができなくなってしまうという懸念が表明されている。
国民感情としては、ガソリンは値下げしてほしいけど、やはり道路整備が進まないのも困るということで、どうしたらよいか分からないという声も聞こえる。
暫定税率の廃止と道路特定財源制度の廃止の2つは、実は別の論点なのに、これらが混同された感じで、いささか議論が混乱しているように思う。まずは、別個の問題であるということから出発しなければならない。
何もガソリン価格を下げるためだけに暫定税率を廃止するというものではないはず。本来の議論の筋は、道路はどう整備するのか、道路だけを聖域扱いにして、そのために暫定税率として増税までして実施する必要があるのか、少子高齢化が進む社会保障全体の中で、必要な事業にはどのように税金を徴収して配分をするのが適切かどうか、こういった観点が議論の中心でなければならない。
この観点をふまえつつ、まずはこれまでの道路特定財源とはいったいどのようなものかを検証することから始めよう。
道路特定財源の問題点
(内容)
自動車利用者が道路整備の費用を負担する制度で、道路特定財源諸税は道路整備のために創設され、拡充されてきた。
(主な道路特定財源一覧)
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税 目
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税 率
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本則税率
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暫定税率
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国
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揮発油税
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24.3円/リットル
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48.6円/リットル
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自動車重量税
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2,500円/0.5t
年
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6,300円/0.5t
年
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地方
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地方道路譲与税
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4.4円/リットル
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5.2円/リットル
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軽油引取税
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15.0円/リットル
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32.1円/リットル
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自動車取得税
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取得価格の3%
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自家用は取得価格の5%
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(根拠)
道路整備緊急措置法
(特徴)
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・昭和29年からすでに54年も継続、国の道路整備5カ年計画に符合して進められた。
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・昭和49年には本則税率の上に暫定税率が上乗せされ、道路整備を加速した。
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・暫定措置と言いながら既に34年も継続した。
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・今回の法案では、政府はさらに10年間の延長を画策している。
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終戦直後は、緊急的に国内の道路整備の必要性は高かったが、もはやこうした戦後復興の必要性は喪失した。道路整備だけを特定財源として聖域扱いにする根拠はない。
あるべき税制改革の要点
1 納税者の立場に立ち「公平・透明・納得」の税制を築く。
2 道路特定財源を一般財源化する。
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道路特定財源を一般財源化するのに伴い、自動車関係諸税の抜本的見直しを図る。
自動車取得税は、消費税との二重課税を回避する観点から廃止。自動車重量税及び自動車税は、地方税としての保有税に一本化し、その税収は地方の一般財源とする。
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3 暫定税率の廃止
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暫定税率は、もともと道路整備のために上乗せされていたものであるから、特定財源の一般財源化に伴い、上乗せする必要性も喪失するから当然廃止。いったんは本則税率に戻した上、国民的議論を経て税制全体を見直す必要がある。
どの程度の道路整備をする必要があるのか、これを徹底して見直しし、また社会保障はどうするか、これとも比較しながら本来の税率を議論すべき。高福祉であれば当然、高負担になるから、様々な税金の税率の見直しも当然。
しかし、かつて自動車がぜいたく品であった頃と同じように重い税負担を課するのが良いかどうか、この点は慎重に考慮すべきである。
世帯当たりの自動車保有台数が多く、自動車の使用が生活に欠かせない地方ほど、ガソリン、軽油の値上がりは家計に重い負担になっている。
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4 地球温暖化対策との関連
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政府・与党から、地球温暖化対策として、燃料消費を抑制するために高い税率を維持すべきとの声が突然出てきたが、ついこの間まで、政府・与党は、燃料消費は価格を引き上げても抑制されないと、環境税導入に後ろ向きだった。確かに、地方から見れば、多少ガソリンが値上げになろうと値下げになろうと、いずれにせよ車に頼っているのが現実であり、ガソリンの価格によってその消費量はあまり変わらない。
地球温暖化対策は、むしろキャップアンドトレード型国内排出権取引の創設や地球温暖化対策税(環境税)の創設によって直接的に対処すべき。
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5 地方負担の軽減
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(1)
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国の直轄事業に対する地方負担分の廃止
国土交通省など国が直轄で行う事業なのに、地方も一定割合の負担を押しつけられるのがこれまでのやり方。国の直轄事業ならば全部国が負担すべき。
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(2)
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道路コストの見直し・・高コストから低コストへ
国の道路構造令に基づいて道路整備の1m当たり単価は11万円。自治体が独自の基準で行った道路整備では、例えば、長野県栄村では1m当たり2万円で済んでいる。この点は仲良しの田中康夫参議院議員(全長野県知事)からも聞いている。国の道路整備の高コスト体質を改めれば、同じ事業費でも多くの道路整備を行うことができる。
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(3)
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大都市と地方の負担格差の縮小
法人税改革で税収を地方へ。この点は一部実現しそうで、例えば熊本県は150億円の配分が受けられる模様。
暫定税率の廃止でガソリン値下げの影響は地方にとってより重要。地方は車依存率が高いので、経済効果は期待できる。
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