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銀行の企業献金再開か
さる10月24日、畔柳信雄・全国銀行協会会長が記者会見をおこない、日本経団連から企業献金の再開を要請されて銀行協会としても検討していることを明らかにしました。銀行業界は、不良債権の最終処理をすすめて体力強化をはかるために、国から巨額の公的資金(税金)の投入を受けてきました。
銀行に対する公的資金の投入
私は、どの程度公的資金が銀行に投入されてきたか調べたことがありましたが、全国各地の銀行に対して合計何兆円にもなっていました。途中まで1つ1つ計算していましたが、あまりの巨額になるのでバカバカしくなって最後までたどり着きませんでした。それでも何兆円にもなっていましたから、巨額であるに違いありません。
そして投入された公的資金の内容や内訳も様々ですが、その大部分が返済する必要のないもので、いわば国から銀行に対する贈与というものでした。熊本では熊本ファミリー銀行に300億円が投入されましたが、これは贈与ではなく貸付でしたので、今年全額が返還されています。
利益を上げる銀行
ところで銀行協会は、公的資金の投入を得ていることなどを理由として1998年から企業献金を自粛してきました。一方では公的資金を得ていながら他方で政治献金をすることなどもってのほかというべきでしょうから、政治献金の自粛は当然です。
2001年以降、三菱UFJ、みずほ、三井住友の3グループがともに公的資金を完済していますが、こうした大都市銀行の営業利益が急速に回復していることの反映でもあります。
2006年3月期にはそろって過去最高の利益をあげ、りそな、住友信託、三井トラストも含む6グループで同期の純利益は3兆円を超えています。
トヨタ自動車が営業利益1兆円を超えていることで、一時世間を驚かせたましたが、銀行全体として3兆円を超えているというのもびっくりする大もうけでしょう。
社会的貢献を
私は、銀行ばかりではなく、正当な企業活動の結果、様々な企業が利益を上げることは大いに結構なことであり、そもそも企業というものは利益を目的としているものですから、儲けること自体は肯定できます。しかし、企業も社会的存在であり、儲かればよいというものではありません。社会に対して一定の還元が、伴わなければならないはずです。
その還元の仕方は、企業献金の再開ではあってはならないと思います。もっと別の社会的貢献をすべきです。銀行金利について言えば、多少は預金金利が上がりましたが、まだまだ微々たるもので、金利が高いとされているスーパー定期預金でも0.5%程度しかありません。これでは「お金」が本来の働きを妨げられ、泣いているようなものです。
税制改正をもにらんで
しかも問題なのは、大手行は軒並み「繰越損失を抱えている」という理由で法人税を1円も納めていないのですから唖然としますね。私は小泉政権の元で広がった格差をどのようにして是正していくかが、当面の重要課題と考えていますが、それには税制改正が欠かせないと考えています。
大銀行が繰越損失があるという理由で法人税の支払いを免れるというのでは、国民の理解が得られないと思います。繰越損失とは別に当該年度の営業利益の状況によっては、法人税課税を検討すべきだと思います。
また法人税も支払っていない状況でありながら、他方では問題の多い企業献金を再開することにはとうてい賛成はできません。私はもともと企業献金自体に問題ありと考えていますが、法人税も支払っていない企業が企業献金を行うなどますます許されないと思います。
企業献金の全面的な禁止が難しいというのであれば、当面、一定の法人税を納付している企業以外にはたとえ政党に対する政治献金であっても、これを許すべきではないでしょう。
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